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私の母は親ばかだった。私は器量は十人並だったし別に天才でもなんでもなかった。かんしゃく持ちで、お世辞にも親思いのいい子とはいえない子供だった。 しかし私の母は私に「さっちゃんはかわいいねぇ。美人になるよ。」「本当に賢いいい子だねぇ。ママはこんないい子をもって幸せ者よ。」などといつも、本当にいつも、言っていた。小さい頃からそう言われ続けていたので、本人もすっかりその気になっていた。 年ごろになって、実は自分はそんなに美人でもなかったと気付いたときはちょっとショックだったけど、「十人並だって捨てたもんじゃない」と開き直れるくらいの良い意味での自信を持つようにはなっていた。母に賢いと言われ続け、それもその気になってお調子者の私は大学院まで進んだ。そこでやっぱり自分がたいして賢くなんかなかったことに気付いたときも、ショックだったけど、まっいいか、と開き直れた。「いい子だ、いい子だ、ママの誇りだ」と言われ続けてきたから、遊びたい盛りの大学生の頃も、母の私への信頼を思うことで自制心が保てた(ある程度ね)。 母は私のことを熱烈に愛していてくれたし、私も母を熱烈に愛していた 。 私も私の子供たちと熱烈な愛の関係を築きたい。 (2/1998) |