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先日こんなことがあった。 みん(次女・4歳)が公園で遊んでいたのだが、突然大声で泣き始めたのだ。私は歩き始めたばかりのま〜やに気をとられていたので何が起きたのか見ていなかった。ただみんの泣き声に驚いて振り返ると、みんが地べたに座りこんでワンワン泣いていたのだ。 「一体どうしたの?」 私は慌てて駆け寄りみんに聞いた。しかし泣くばかりで返事をしない。回りにいた子供たちに聞いてみたがみんな「見てなかったからわかんない」というだけ。 とにかくみんの手をひいてうちに連れて帰り、もう一度彼女に聞いてみた。「一体何があったの?」「何でもない。」「何でもないわけないでしょう、あんなに大泣きしておいて。ママにわけを言ってごらん。」 みんは黙っているだけでらちがあかない。短気の私はいらいらし始め、かなり強い口調でみんを問い詰めていたと思う。しかし結局何もわからなかった。 ところが、夕方になってからみんがおもむろに「あのね、ほかの子がね、私の手をふんづけたの。サンダルでふんづけて、痛くって、だから泣いちゃったの。」と言うではないか。「その子はわざとふんだの? それとも間違えてふんじゃったの?」「間違えてふんじゃったんだと思う。だって『あ、ごめんね!』って言ってたから。」 なるほど、そういうことだったのか。しかしなぜこれだけのことをみんはすぐに私に話してくれなかったのだろう? 多分、わざとふまれたわけではないのに、あんなに大泣きしてしまってバツが悪くなったのかもしれない。もし私に言えば、なんだか告げ口みたいでその子に悪いと思ったのかもしれない。 私には確かなことはわからないが、きっとみんは自分なりに何かを考え、何かを判断したのだと思う。ただ、所詮4歳の子供なので、その理由をうまく私に説明することができなくて、その結果だんまりになってしまったのだろう。 大人の目からは「たかがそれくらいのこと」でも、みんには「たかが」ではなかったのかもしれない。 親の気持ちとしては、子供が泣いているときにはその理由をつきとめて、何とかして少しでも助けてあげたいと思うものだ。親子の間には、隠し事なく何でも話せる関係を作りたいと思うものだ。 でも、子供には子供なりの考えがある。彼らがしばらくの間は親には黙っておこうと思うとき、親は子供のその考えを尊重して後ろにひくということも時には必要なのかもしれない。 子供が口を閉ざしているとき、無理にこじ開けようとするのでなく、口を閉ざしている子供を丸ごと受け入れてあげるなら、子供はその時にこそ親に向かって心を開いてくれるようになるのかもしれない。 だんまりの裏にある子供の考えを尊重し、信じて受け入れてあげること、それが親子間の信頼関係を確かなものにしていくことにつながるのかもしれない・・・ そんな事を考えさせられた小さな一つの事件だった。 (10/1998) |